「ふたりエスケープ」~締め切りから本気で逃げろ! 「シアロア」というマンガがある。田口囁一氏がマンガと音楽を連作として発表し続けた取り組みはなかなか衝撃的だった。 マンガのほうはコミック1冊分で一度完結したものを、LINEマンガで続編をもう1冊分加筆したのだが、結果としては無理をしてしまった感があった。 先日ふと「ふたりエスケープ」というコミックを書店で手に取って、何か不思議な感覚があったので、検索をしてみたところ、「シアロア」の作者さんの新刊だったということが分かった。しかも百合姫というGL雑誌での連載だという。 「シアロア」は男女の不器用な関係を少しヒリヒリとした空気感で描いていたところに魅力があったのだが、さて女の子2人、そして表紙から察するにほんわか展開が期待できるような2人の女子の笑顔。手に取ってみることにした。 View this post on Instagram A post shared by Syunsuke Yamasaki (@yam_syun) このラインより上のエリアが無料で表示されます。 基本の話は、漫画家の卵である長身女子と、なぜか無職で仕事場にいついている先輩の低身長女子のコンビが、ストレス発散のためにエスケープする、というもの。 第一話は、スマホとLANケーブルをレターパックに入れてポストに突っ込み(宛名は自宅にしておく)、ネットから遮断されてつかの間の逃避を送るという話で「家にいながらエスケープ」という面白さがあった(そしてちゃんとオチもついた)。 エスケープのいろんなパターンが示されるのがおもしろい。旅行はもちろんだが、「終電までただ電車に乗ってみる」とか「実家に帰ってひたすら掃除をする」とか。 寡作だが、ぐっと心に刺さる作品を作ってくれた作家さんの近況というのは気になるものなので、こうした作品でまた活動されていたのはとてもうれしく思う。 できれば、今回のコミックでのんびりふわっとした話を描いたら、また次はヒリヒリする話を書いていただきたいとファンとしては思う。 オススメです。 試し読み https://comic.pixiv.net/works/6858Amazon紙書籍購入 https://□ama□/2KBHor7Kindle版電子書籍購入 https://□ama□/2J4h5cCヤマサキさんのコミック蔵書リスト https://booklog.jp/users/yamsyun 関連 投稿ナビゲーション ページをめくるごと、息が詰まる悦び~「君だけが光」平凡な日常、後悔する過去、しかし未来はある~「明日、世界が滅びるかもなので、本日は帰りません。」