着物を身にまとって関西を歩こう~「恋せよキモノ乙女」 あなたは着物を着るだろうか。私も浴衣くらいしか着る機会がない。着物好きな友人のSNS投稿をみかけるとうらやましく思ったりする。 着物で関西のいろんなスポットに出かけつつ、恋愛マンガもしちゃおうというちょっと盛りだくさんなマンガが「恋せよキモノ乙女」だ。ちょっと紹介してみたい。 View this post on Instagram A post shared by Syunsuke Yamasaki (@yam_syun) 登場人物はもちろん、着物が大好きな女子。とあるきっかけで憧れの「喫茶店の君」と出会いができたところ話から始まる。交際を申し込むも、彼の事情から断られ、別の男性があいだに入りつつも、あまりウェットにならないまま、もう一度ふたりの距離は近づき始める。 主人公は基本、着物で出かけるのでアレンジについて各話ごとに数ページ割いているのが楽しみだ。季節のアレンジ、気分や行き先にあわせたコーディネートなど。驚くほどの多様性があって、ああ、着物で出かけるって楽しそうだなあ、と思わせる。 そして、ふたり(途中で増えた男子、あるいは親友女子友だちと出かけることもある)で関西のいろんなところに出かける。大阪、京都、和歌山、奈良……。名所旧跡ばかりではなく、おいしいパン屋さんやカフェなども取り上げる。 着物だけが魅力というより、関西のいろんなスポットが紹介されるのもこのマンガの楽しみだ。自分は中学の3年間だけ、西宮に暮らしたのだが(今や西宮北口は関西の住みたいスポット上位なのだとか)、大阪を知るにはまだ行動力が足らないままに東京に戻ってきてしまった。たまに仕事で大阪に行くと、行き先の近くにある近代建築に立ち寄るようにしているが、やはり地元ではない。 新しいスポットと着物の組み合わせもおもしろい。もちろん古い建物と着物もよく合う。しゃれたカフェで着物でサンドイッチ、なんて風景もまたいい。日常生活の延長としてマンガの中でいろんな関西と出会えるのが楽しみだ。 さて、ストーリーは、主人公の女の子の人生と着物が深く関わりだし始めた。最初は会社の受付嬢でプライベートでは着物好き、というシンプルな設定だったものが、着物への関心を深めるイベントを経て、着物のコーディネートをする小さなお店で働き始めたのだ。 個人の着物の所蔵は限られているし、キャラクターの性格もあるのでコーディネートのレパートリーにも限界がある。おばあちゃんの着物コレクションに閉じていた世界から、新しい展開が徐々に開けつつある。 おそらく一定の人気が得られたので、しばらくしっかり話を展開する余裕が出てきたのだろうと推察する。いやこれは皮肉ではなく、構成と展望のあるストーリーだからいいことだ。 実はタイアップイベントで上野の東京国立博物館での「きもの KIMONO」展とのコラボも予定されていたが、これはコロナウイルスの影響で見学できないのが残念だ。6月4日が当初の開催期日だが、できれば延長していただければと思う。https://kimonoten2020.exhibit.jp/ 展示とのコラボマンガは下記で読むことができるので、よろしければご覧いただきたい。https://kuragebunch.com/episode/13933686331624672594 着物女子のマンガってありそうでなかなかない。このマンガは作者の着物愛がちゃんと伝わってくるので、その点でも安心して読める。 おすすめである。 試し読み https://kuragebunch.com/episode/10834108156629657504Amazon紙書籍購入 https://□ama□/2zIScORKindle版電子書籍購入 https://□ama□/3bCclTOヤマサキさんのコミック蔵書リスト https://booklog.jp/users/yamsyun 関連 投稿ナビゲーション 本好き姫のふわふわファンタジー~「虫かぶり姫」藤原不比等没後1300年記念に古事記の成り立ちをマンガで読もう~「ふることふひと」