本好き姫のふわふわファンタジー~「虫かぶり姫」 – 8th FEB.

本好き姫のふわふわファンタジー~「虫かぶり姫」

原作つきコミックというのは、すでに一定の評判あっての企画だから、安心してストーリーのクオリティに期待できる。一方でコミカライズの力量、本来の挿絵画家との相性も問われる。今回は、安定してファンタジーを楽しめるコミカライズ作品をひとつ。

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本が大好き過ぎて、王立図書館ばかり通い詰めている貴族の令嬢、ついたあだなが「虫かぶり姫」。恋愛にはまったく無関心な彼女がなぜか、王子に見初められたところから始まる、ロマンティックファンタジーというのが基本のストーリーライン。

とはいえ、ただのあまあま恋愛マンガというわけではない。徐々に虫かぶり姫の知見から得られた助言が国を動かしていったり、王妃の座を狙うライバルが現れたり、虫かぶり姫の家系の来歴が明らかになってきたり(家族全員、超がつく本好きで、実は王国の要職を担っているうえ、彼女の家系には実は大きないわくがあるらしい)、徐々にイベントが展開されていく。

原作の小説がかなり「狙って」展開をしているので、コミカライズを読んでいても安心してついていくことができる。少しずつ姫が王子に思いを深めていくあたりも、初々しくてなかなか楽しい。

というか、読書好き女子というのはいい設定だ。先週の「バーナード嬢曰く。」でもそうだったけれど、世界の女性は「読書しない女子」と「読書する女子」に分けられる。

もしどちらかを選べといわれたら、読書する女子のほうがいいに決まっている。頭もいいし、理性もウィットも持ち合わせているし、たいていは化粧も濃くないし(……と、徐々に個人的偏見が混じり始める)。

ところで、小説版とコミカライズ版で絵師が変わってしまうとき、どうコミカライズ版の絵描きさんを選ぶかは常に難問だ。あえて違う画風の作家を見つけてくることで化学反応をねらう手もあれば、似たような画風の作家さんに頼んでイメージを損なわないようにするやり方もある。

今回のコミカライズ、どうやら同系列の画風の作家さんに頼んでいるようだが、これは大当たりだったようだ。少女マンガ的ふわふわな世界はキープされつつ、漫画家としてしっかりコミカライズに取り組んでいる様子が後書きなどからうかがえる。

落ち着かない日々の読書には、やさぐれず心地よく読める読書がいい。こんなマンガ、いかがだろうか。

おすすめである。

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