三十路なんてまだ若い!こじらせ魔女は三百歳で恋をする~「魔女は三百路から」 – 8th FEB.

三十路なんてまだ若い!こじらせ魔女は三百歳で恋をする~「魔女は三百路から」

女性も男性も「30歳」は人生を意識する分岐点だ。晩婚化やおひとりさまが増えた時代といってもそれは変わらないように思う。「30」というキリのいい数字が私たちに「子ども」の時代の終わりを意識させるからだろう。

しかし、世の中には「30」ではなく「300」でこじらせ女子となる業界もあるのだ。それはなんと「魔女業界」。そんなコミックを紹介したい。

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主人公は齢300歳を数える魔女。太宰治や高杉晋作(すごい選択だ!)と恋をしてきた過去を持つという。彼女が日本の歴史に及ぼしてきた影響があるとかないとか。

ところが基本的にダメンズに惚れてしまうタイプなので、いつも男に捨てられてしまったり、貢いでしまったりすることを繰り返している「ダメ魔女(魔女としての能力は優秀なのだが)」である。

今は表向きはひっそりと中小企業のOLをして、こじんまりとしたマンションに暮らしているのだが、こじらせ女子ならぬ「こじらせ魔女」の性格はなかなか変わらないでいるのがこのマンガの笑えるところだ。

しかも「魔女ライフ」が現代的アレンジが加えられているのが面白い。たとえば、

「正月をこたつからほとんど出ずに過ごす」=冒涜的
「ホモ同人誌の集会に参加する」=退廃的
「貢いだ男に浮気されて捨てられる」=背徳的

とか言っていて、そのギャップについ笑ってしまう。こたつからこぼれたミカンを取るのに召喚獣を使ったり、しかもその魔方陣をこたつのうえのホットプレートに描いたものだから召喚獣がやけどしたり。なんだその魔女ライフ。おもしろすぎるじゃないか。

4巻では邪神クトゥルフとやりとりするエピソードがあるが、途中からおまえもそろそろ結婚したらどうか、などと世話を焼かれてしまう。邪神に結婚話をもちかけられるとか! おひとりさま女子マンガもついにここまで来たのだ。

ちなみに過去に付き合った太宰と高杉晋作が転生をして現代に(記憶はなくして)よみがえっており、彼女の周囲に現れる。どちらも彼女の気を引くのがまた面白い展開となっている。

ところがこのマンガの設定では、結婚をすると魔女を卒業しなければいけないらしい(たぶん、そうなると年を取らない魔法も解ける?)。

彼女はこの先、転生太宰を選ぶのか、転生高杉を選ぶのか、はたまた魔女としてのおひとりさま人生を選ぶのか、彼女の三百路ライフはまだまだ目が離せない。クオリティの落ちない安定の展開で4巻まで来たので、まだ楽しませてくれそう。おすすめです。


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