0.01ミリずつ近づく恋愛?~「あそこで働くムスブさん」 – 8th FEB.

0.01ミリずつ近づく恋愛?~「あそこで働くムスブさん」

「0.01ミリ」といえば日本の世界に誇るプロダクトのひとつ、コンドームの厚さである。このマンガ、コンドーム開発会社の研究員女子と、彼女に思いを寄せる営業男子の恋愛マンガという趣向だ。しかもサガミオリジナル(相模ゴム工業)の協力もえているらしい。

1巻を買って面白かったところ、とうとう2巻も発売されたのでレビューに取り上げてみたい。

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さて、試し読みのエピソードを読んでいただければわかると思うが、内容はコンドームを笑いものにするわけではない。いたって真面目なリケジョ(理系女子)としての主人公が描かれる。

むしろ真面目で不器用な女の子が、新商品開発に向けては一生懸命がんばっている姿が描かれる。その人となりに、好きな気持ちをあたためていた営業男子であったが、実は彼女、「未経験」であることが第1巻の最後で発覚する。

実は彼女、過保護気味のお父さんの希望で、とっても遠い自宅から何時間もかけて通勤していたりする。親と仲良くしている姿が描かれる一方、彼女の研究員としての取り組みはとても真面目な様子も描かれる。

でも開発しているのはコンドームという、ギャップがいかにも「マンガ」的でおもしろい。しかしムスブさん(研究員女子の名前)が、自分の開発している商品についてはむしろプライドをもって接しているので、読んでいるほうもあまり恥ずかしくなく読めるのがバランスとしては上手だ。

第2巻では、新商品プロジェクトにムスブさんと営業男子(ちなみに彼の名字はサガミくんである。もちろんサガミオリジナルから来ていると思われる)が配属され、一緒に過ごしたり会話をする時間が増え始める(繰り返すが、作っているのはコンドーム)。

基本無表情なところが多いムスブさんが、時々ちょっと照れたりするのがかわいいし、またその照れるシチュエーションが業務上というよりは、日常の機微において現れるのがまたかわいい。

ところが、第2巻のラスト、自宅が職場から遠くて終電の早い彼女の仕事が押してしまう。サガミくんも一緒に仕事を手伝い、駅のホームまで走るものの、ギリギリのところで終電を逃してしまった。

さて第3巻ではどうなるのか、ちょっと楽しみなところで来年の続刊を待つことになった。もし、今から読もうという人があればこれはちょうどいいタイミングであろう。

巨大な世界観を背景に、人生を動かすような運命に翻弄されるわけではないが、ほんのり気持ちよく楽しめるマンガであることは間違いない。一読、おすすめしますので、ちょっといかがでしょうか。

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