ゆるふわJDは暗殺者?~「バイオレンスアクション」 残虐描写はあまり好きではない。劇画はほとんど所蔵していないわが家のマンガコレクションであるが、今回の一冊は例外だ。ゆるふわな絵柄ながらやってることはハードコアな暴力描写という、不思議な魅力を持つ作品を紹介してみたい。 View this post on Instagram A post shared by Syunsuke Yamasaki (@yam_syun) このラインより上のエリアが無料で表示されます。 女子大生が所属する、とある風俗店のホームページ。しかしその実態は凄腕の暗殺者(女子)が依頼に応じて殺人を請け負う事務所のコンタクト先だった、というのが基本設定のお話。しかし、ヤクザの抗争も、ゆるふわ女子大生が入ってくるとおかしなことになってくる(なお、正確には専門学校生だけど)。 組の金を持ち逃げして追われた元金庫番を殺しにやってきた彼女、仕留める直前に組の意向が確定せず待機を命じられたら、殺す予定の相手に簿記の試験勉強を教わっていたりする。いや確かに金庫番だから帳簿はつけられるけど、日商簿記の勉強をする殺人者! 別のエピソードでは、殺された組合員の敵討ちに雇われてやってきた彼女、亡くなった彼が大事に育てていたというフェレットの存在を知り、仕事が終わったら引き取ると言い出す。これから死ぬことになるかもしれない修羅場をくぐるのにフェレットのことばかり考えている殺人者なんて見たことない! 一方で、ふわふわ髪のJD(正確には専門学校生)が、殺るときは、容赦なく殺る。どうしてその殺人スキルを身につけたのかはまだ明らかにされていないが、もう強い。徹底的に強い。 ゆるふわJDと、躊躇なく人殺しをするオッサンたちが入り乱れる、なんとも不思議なギャップがこの作品の魅力だ。 あまりにもぶっ飛んだ話でテンションも高かったので、この調子でずっと続けられるのかなあと心配していたら、しばらくお休みになっていた。WEBやアプリ連載はけっこう簡単に休載して、そのまま戻ってこないことがあるので残念に思っていたら、つい先日、1年半ぶりの新刊が発売されていた。よかったよかった。 作者が作品のダークフォースに飲み込まれるのか、メンタルを崩して書けなくなることが時々ある。このマンガ、不思議なダークフォースに満ちているので、作者さんにはできるだけ明るいところで暮らして、マンガの世界に引き込まれないようにしてほしい。 このマンガ、アプリで配信もされているので、ちょっとずつなら無料で読める。聞いたところ、そうしたPVもそこそこ作家さんに還元されるらしい。マンガを買わなくても、アプリで読んだことが作者にマネタイズされるのであれば、それもひとつの「読書」だろう。 試し読みのアドレスは下記につけておくが、バイオレンスシーンはけっこうエグいので、そういうのがダメな人は見ない方がいいかもしれない。でも、割とドライにシーン展開するので、さくさく読めちゃうかもしれない。 不思議な読後感があるので、怖いもの見たさでちょっと試し読みしていただければと思う。おすすめです。 試し読み https://yawaspi.com/violence_action/Amazon紙書籍購入 https://□ama□/2qXOzAdKindle版電子書籍購入 https://□ama□/2CQyyPa 関連 投稿ナビゲーション 戦前戦後の東京はなぜ蠱惑的なのか~「極東事変」0.01ミリずつ近づく恋愛?~「あそこで働くムスブさん」