サッカースタジアムでグルメマンガ?~「ぺろり!スタグル旅」を読む~ 野球観戦、サッカー観戦など、スポーツを見に行ったときは食事を何か取ることだろう。そしてビールも。 View this post on Instagram A post shared by Syunsuke Yamasaki (@yam_syun) しかし、スポーツ観戦のつまみといえばアメリカンドッグと唐揚げしか思いつかないとしたらそれはちょっと昔の話だ。今はスタジアムごとにいろんな美味いモノが並んでいて、お客を悩ませている。 私がよくいくスタジアムは埼玉スタジアム2002だが(浦和レッズサポなので)、スタジアム外ではかなり美味しい食べ物を出すスタンドが並んでいて、観戦直前の食事には苦労しない。椅子もたっぷりあるので早めに到着したら子どもを遊ばせつつ食事をすることもできる。 もちろん、話はそう簡単ではない。例えば長蛇の列がある店とそうでないお店があったとき、どちらに並ぶかは「賭け」である。 長い列に並べば確実に美味いのは分かるのだけれど、キックオフ前の時間を考えると無制限に待つわけにはいかない。かといって余りにも人がいない店は外れクジの可能性も高い。サッカースタジアム場外には試合開始前からそうした熱戦が繰り広げられているのである。 さて今回紹介するコミック、「ぺろり!スタグル旅」はJ2のとあるチームのサポーターがアウェイ巡りをする中で、全国各地のスタジアムグルメ飯、つまりスタグル飯を楽しむという話。(作品中ではNリーグとしておりチーム名も変えて登場する) J1ではなくてJ2というのがポイントで、チーム数も多いしエリアも格段に広がる。今年のJ2チームでいえば岡山、徳島、琉球、金沢、岐阜…と全国に散らばっている。 チームが全国に散らばっている、ということはご当地グルメもたくさんあるということだ。アウェイを追いかけて参戦する熱烈サポーターは全国のグルメを追いかけることにもなる。 サッカーのサポーターというのは、熱心さを増してくるとアウェイゲームにまで応援に出かけるようになるところを、うまく全国スタグル飯を紹介するマンガとして盛り込んだのはサッカー好きの作者ならではだ。 ちなみに、主人公たちのごひいきチームはJEFユナイテッド千葉(をモデルにしたチーム)なのだが、ここしばらくJ1に昇格しそうでなかなかうまくいかない時期を過ごしている。皮肉なことに、J1昇格しないからこそ、連載が続いたというのも、主人公たちがスタグルを楽しめる原因となっていたりする(もちろん主人公たちも悔しがりつつ自分たちの境遇を楽しんでいる)。 このマンガの著者は熱烈なサッカー好きで知られている。過去には「オレンジ」「オーレ!」というサッカー選手やサッカーチームを題材としたマンガを書いている。 また、「マネーフットボール」という作品ではレンタル移籍をきっかけにお金とサッカーの問題に向かい合う若手選手を描いてみたり、「サッカーの憂鬱」という作品ではサッカー業界の裏方だけを描く連作短編集を書いてもいる。 興味があれば「サッカーの憂鬱」は2巻ものなので、目を通してみてはいかがだろうか。審判、スカウト、芝生管理者やチーム広報など、いろんな立場からサッカーを支えている姿が見えて面白い。「スタグル旅」とともにオススメします。 第1巻試し読み https://sokuyomi.jp/product/perorisuta_001/CO/1/Amazonで書籍購入 https://□ama□/2lmkcRfKindleで電子書籍購入 https://□ama□/2jPTEHk 関連 投稿ナビゲーション 令和の時代に大正期の昭和天皇若かりし姿を振り返る面白さ!~「昭和天皇物語」を読む~明治初期の日本を歩いた白人女性の物語~「不思議の国のバード」を読む~