萌えマンガと見せかけて実は努力と根性の物語でもある~「NEW GAME!」を読む~ – 8th FEB.

萌えマンガと見せかけて実は努力と根性の物語でもある~「NEW GAME!」を読む~

ある程度、マンガやアニメをご覧の人であれば「NEW GAME!」という作品はご存じではないか。阿佐ヶ谷にあるとあるゲーム制作会社の、女性ばかりの制作チームを中心としたマンガで、マンガもヒットしアニメ化も2シーズン分されている。コミック版は先日9巻が発売されたところだ。

たいていこのコラムではマイナーマンガを取り上げているが、今回は比較的メジャーなマンガを取り上げてみようと思う。しかし「萌え」とは違う読み方で、だ。

絵柄は今の時代の流行の「萌え」の画風である。限定グッズのポスターやハガキなどでは、登場人物の女の子がずらりと並んで水着に着替えていたり、オシャレな服でファッションショーのように勢揃いしていたりする。

しかし、個人的にこのマンガが好きなのは、萌え要素だけで終わっていなくて、むしろ努力と根性の物語でもある、ということだ。

ひたすらに「萌えキャラ」×「萌えシチュエーション」のような形で内容はほとんどなくて展開するマンガもある。それはそれでいいのだけれど、実はこのマンガはそんな感じではない。

現実に考えても、萌え萌えキャッキャとしていればゲームが完成するわけではない。マスターアップ直前には徹夜もあるし、プログラムにはバグも出る、企画段階ではキャラデザインに悩んで何度もやり直しをしたりする。

実はこのマンガ、そういうところも描かれているのが面白い。そして登場人物どうしが本気でぶつかりがんばり成長していくところも、あまりウェットにならないようにしつつ描いていたりするのだ。

萌え系マンガはバランスがなかなか難しいところがある。「萌え萌え」だけで押していくだけではダメで、どこか作者の個性のようなものがあって、そこから作品の「らしさ」が構成され、そのバランスがうまく取れている作品のほうが人気を博しているような気がするのだ。

5人組の軽音部女子高生を描いた「けいおん!」もそうだし、こちらも仲良し女子高生の4人組を中心に描く「Aチャンネル」もそうだ。意外に萌えは奥が深い。

ということで、「萌えなんて」とバカにしている人のほうがむしろこの作品はハマるのかもしれない。だって、萌えマンガで納期前にへろへろになっている社会人の姿を描くなんて未読の人からすれば想像できまい。

ま、もちろん萌え要素は外さないので、マスターアップ前に疲れていると、近所の銭湯に行って、サービスシーンになったりもするのだけれど。みんな女の子だし、そこは萌えマンガですから(笑)

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