マンガの描き方は人それぞれですが、主線の「太さ」には個性がはっきり出るように思います。
細くて細い線ですごく細かく書く作家さんもあれば、大胆なまでに太い線で、「まさか筆で書いてるんじゃないだろうな?」と思うような人もいます。
個人的には「太い主線」というのが大好きでそういう新人作家さんを見るとすぐ買ってしまうタイプです。最近だと日坂水柯さんは太い主線が素晴らしい作家さんで、内容もとてもよくてファンです。2012年頃はコミックレビューの連載があって日坂さんについて熱く語ったこともあるくらい。
そのコラムはこちら→ https://www.roomie.jp/2012/06/9129/
今回の作家さんもそんな作家さんのひとり。主人公は普通の男子学生(じゃないことは途中で明らかになるけれど)。バディになるのはロングヘアーさらさらの超美少女な文学少女(実はちょっと違うことも後で明らかになって驚くけれど)。
そんな二人の対話が本作品の主題、「文学の構成要素」を軸に行われるのがこのマンガの基本ストーリー。そして対話が徐々に深まるほどに二人の距離も近づいていく。
記号、比喩、疑問符、語彙、語尾など、文学を文学たらしめている要素がマンガで展開するとこんなに面白いのかと驚かされる。
何の素材で書いたのだろうかと不思議なくらいの太線と省略も大胆な描画で描かれる世界はなかなか他にない世界観となっていて、ついつい読んでしまう。
二人の関係がちょっと変化していくエピソード、実はふたりの本当の姿の真実が異なることが明らかになるエピソードなど、マンガならではの表現もあって唸らせられる。
もとの連載はWEBなので今のところ第1話、第2話は読むことができる。飛ばして最新話の7話が公開されているけれど、最初の2話だけ読んで気に入ったなら紙のコミックを買ったほうが、感動があると思います。オススメです。
トーチWEB 連載ページ(数話分試し読み可)
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