「はつみ道楽」~ちょっとした予算が人生の可能性を広げてくれることもある いろんなことをやってみたいと思っても、先立つものがない、ということが人生にはしばしばある。というかほとんどがそうかもしれない。だから知識としては知っていても、実際に体験したことがないことは人生に山ほどある。 「乗馬」「目の前で揚げてくれる天ぷらフルコース」「オペラ観劇」 など、日常のすぐ隣にある非日常が待っていて、それは実はそれほど高いお値段でもなかったりする。今回紹介する「はつみ道楽」は、そんなマンガ。 View this post on Instagram A post shared by Syunsuke Yamasaki (@yam_syun) 主人公は理系女子だが、勤めていた会社でひょんなことから特許を取得、会社と共同で登録したことから、「特許手当」を毎月17830円もらえることになった。 仕事から得られた対価とはいえ、広い部屋に引っ越しをしたりするほど人生が劇的に変わるほどの金額でもない。そこで人生にとってちょっとしたボーナスだと考えてみて、今までやってみたことがなかったことに使おうとしてみる、というのがこのお話。 ストーリーとしては金額の設定が絶妙で、「普通やらないけど、ちょっとだけ興味があってやってみたいと思ったこと」の予算となっているのがいい。 オペラ観劇のエピソードなど、「新国立劇場、初めて来た!」という台詞があるが、まさにこのこのコミック全体を通した一言だろう。日本人の何割が新国立劇場にオペラやバレーを見に来るかっていわれればたぶん1%にも満たないですよね。 そして、その予算は実はそれほど高いものではなかったりする。人生はちょっとした予算確保と、気まぐれの思いつきによる行動により広がってきたりするのだ。 自分の仕事として、お金の上手な使い方を指南する立場にあるわけだが、削ればいい、ってものではなくむしろ、その人の心の中に「活きた」お金の使い方になるのであれば、遊びやチャレンジもあっていいはず。 「はつみ道楽」は一巻完結なので、終わりもきちんと幕引きされててスッキリ読み終えられるのもよかった。オススメです。 Amazonで書籍購入 https://amzn.to/2Ut0petKindleで電子書籍購入 https://amzn.to/2VcyDrh 関連 投稿ナビゲーション 「ダンジョン飯」~もう一度緊迫感を取り戻し、次巻以降に期待大少しレトロな絵柄がこのミステリーにベストマッチ~「虚構推理」