「天地創造デザイン部」~マンガで楽しむ生き物の不思議~ – 8th FEB.

「天地創造デザイン部」~マンガで楽しむ生き物の不思議~

「ざんねんないきもの事典」というベストセラーがあります。いろんなテーマで動物の生態の不思議を紹介した本ですが、生物のデザインというのは本当に不思議に溢れています。

今回オススメのコミック「天地創造デザイン部」はそんな「ざんねんないきもの事典」に載るような生き物が、実はとあるデザインオフィスの作品であったら?、というマンガ。しかも依頼主は「神」という!

神様のあいまいな造物注文に、デザイナーたちが自分の好み(かわいいもの好きとかカッコいいもの好きとかゲテモノ好きとか)を追求しつつ試行錯誤していくとそれが実在の生き物として「採用」されていくのですが、これが面白いのです。

生物のアイデアをガラパゴス(という名の試作ルーム)で現実可能か検証するというパートがあるんですが、このままだと新陳代謝ができないとか、空を飛ぶ筋力が足りないとか、リアルな突っ込みが入りつつ、「でもこうやってカバーしちゃえ」と実在の生き物の不思議な生態を紹介しているので、知的エンターテイメントになっているのが素晴らしい!

たとえば3巻に出てくるラッコ。神様のオーダーは「泳ぐのが下手な動物」。そこでラッコのベース(皮下脂肪が薄くて泳ぐのが下手な海洋哺乳類)をまず作り、でも高級な毛皮で断熱できるようにしよう、とか、ひたすら捕食すれば(毎日体重の25%くらい)生命を維持できるよとカスタマイズしたり、しょっぱい海産物ばかり食べていても腎臓が強い設定にするから大丈夫とさらに魔改造を繰り返していき、最終的に神様に採用される、といった感じ。

最近子どもにNHKの「ダーウィンが来た!」を毎週見せているけれど、本当に生き物って不思議な生態だらけだけれど、もしかしたらこういうオフィスが気まぐれに作った結果なのかも、と思わせてしまう面白さです。

このマンガ、先日3巻が発売されたばかりですが、面白さは落ちてこない。原作の作者さん、どうやってネタを出しているのだろうと思うくらい自由自在にネタをあげてくるので、これからもまだいけそうです。オススメします。

天地創造デザイン部 3巻
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