まさに薄墨のような終末世界を行く~「ウスズミの果て」を読む コミックが3巻を突破するかどうかは、ひとつの壁である。出版社は見込みのない作品にはどこかで引導を渡さなくてはならず、1巻完結とするか(ジャンプでいえば10週打ち切りのような感じ)、2ないし3巻を区切りとするかを悩む。そうなると3巻完結とならず続刊がアナウンスされることはファンとしては朗報だ。 本作は、未来において世界が破滅した中、アンドロイドの主人公が生存者を求めて(また被害者を弔うために)彷徨い続ける物語。 前回紹介した「終末ツーリング」は現代日本が廃墟となった世界を女子高生の制服を着た主人公が歩く。実際にあったバイクでツーリングしていたので、終末世界の描き方としては対照的だ。「終末ツーリング」は晴れの背景が多く、自然はたくましく回復をしていたりするが、こちらでは表紙画像のとおり建築物が破壊されたような世界ばかりで自然はほとんど描かれない。機械も未来の技術を用いておりSF的だ。でもどちらも好きな「終末マンガ」だ。 タイトルのとおり「薄墨」のトーンが終末感をよく出している。マンガの白黒ページをうまく活かした寂寥感ある描写が終末世界をうまく描いている。できれば薄墨の世界のラストに青空があれば、と願うが、さてどこまで描いてくれるだろうか。 「ウスズミの果て」オススメです。 → 終わりを迎えた世界を楽しく生きるコツは何か「終末ツーリング」 関連 投稿ナビゲーション 終わりを迎えた世界を楽しく生きるコツは何か「終末ツーリング」劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:Re: ~エンディングでアジカン「Re:Re:」のカバーはズルすぎるだろう!(褒め言葉)