「SLAM DUNK」~たった一試合。それだけで100億円の価値 – 8th FEB.

「SLAM DUNK」~たった一試合。それだけで100億円の価値

※投稿後、後日の追記があることをご容赦いただきたい。

SLAM DUNKはマンガは全巻通して読んだ。主にジャンプ本誌で、という世代だ。アニメはほとんど見てなかったと思う。すごいマンガだなとは思っていたが、自分はスポーツマンではないし、単純にマンガとして好きだったという感じだ。そんな自分がふらりと映画館に観に行って、気持ちよく感動して席を立った。

なんと、興行収入100億円を突破したそうだ。映画の内容についてはそろそろ少しだけネタバレしてもいいだろうが、本編の中でいくつかある試合の、たった1試合を映画一本にしているという大胆な構成だ。

だがそれが功を奏している。まず、バスケの試合の面白さが一気に一試合を通して再現されている。全体を俯瞰したアングルの切り方などは、昔のアニメと一線を画している。セル画前提の時代は、マンガを念頭においた映像化だったが、CGの技術進展を前提としたことで寄ったり、引いたり、ぐるりと視点を動かしたりと、テレビのバスケ中継以上の迫力を持った試合が鑑賞できるようになった。

たとえば、PG(ポイントガード)の意味や役割が、実は今までよく分からなかったのだが(なぜ背が低い人が配置されるのか、とか)、今回の映画はそういうプレイヤーの役割が視覚的に理解できておもしろかった。

もうひとつ、キャラクターのバックグラウンドをフラッシュバック的に挿入してきたことも良かった。今回の注目点はリョータだろう。まさかこんなハードな過去を背負ってここにいるとは思いもしなかった。よくみると画像の中央にいるし。

あと、「アバター2」が世界中で1位獲得をしているなか、日本だけSLAM DUNKというのがまた可笑しい。いつぞや、Netflixで日本だけSPY×FAMILYが1位、日本おかしい、というネタがバズっていたが、私はそういうのって日本らしいと思っていたりする。

ところで、この映画「THE 1st」と題されているのだが、さて、この次はどうするのだろうか。数年後が楽しみだ。こういう「意外な感動」が時々あると、まだまだ生きていたいと思えてくる。なんていったら、さすがに言い過ぎだろうか。

P.S. 問題はこの映画、SLAM DUNKをまったく知らない人にはまったくお勧めできないということだ。アニメかコミックでラストまで読んだことがないと、ちょっとつらいだろうな。