江戸の日常を細かく、でもゆるく描く。そしてそれをのんびり読む。~「まめで四角でやわらかで」 江戸時代のライフスタイル、日常生活を描くマンガがずいぶん増えたが、どれを読んでも細かいところを調べてよく描くなあと感心する。文章であれば「書かない部分」があってもいいが、イラストではそうはいかない。背景の何気ないところまで絵にしなくてはいけない分、マンガのほうが苦労は大きい。 マンガのほうが細かいところも含めて伝える情報はたくさんだ。でもその努力は読者の感動や読後の余韻として伝わってくる。というわけで、こちらの「まめで四角でやわらかで」全2巻。江戸時代の日常生活を短編で描く作品です。 本作については、表紙画像でおわかりのとおり、絵柄のゆるさ、やわらかさがいい。ゆるく、江戸時代の生活が伝わってくるのは現実に近いと思う。 というのは、江戸時代のライフスタイルは、本当にのんびりしているからだ。ある分析によると、私たちに入ってくる情報は、江戸時代の一年分と、現代の一日分はもはや同じくらいなのだとか。現代の我々が、多すぎる情報にむしろ翻弄されているとしたら、江戸時代のほうがメンタル的には楽だろうなあ。(といっても、当時の知識人はたくさんの漢籍を読んだりしており、相当の情報量を短期間でインプットしていたのではないかと思う) 今回は取り上げなかったけれど、追加で2冊ほどご紹介。「神田ごくら町職人ばなし」も職人の細かい所作を描きながら江戸の時代を描写していておすすめです。 →Amazonへのリンクはこちら 「江戸の不倫は死の香り」のほうはちょっとお色気混じりですが、男女比の差が著しかった江戸ならではのミステリー風作品でおもしろいです。 →Amazonへのリンクはこちら 関連 投稿ナビゲーション オンとオフの切り替え、徹底的すぎるだろ!(いい意味で)~「会社と私生活~オンとオフ~」あのダンジョンはどうやって「運営」しているのか~祝アニメ化「ダンジョンの中のひと」