FLIP FLAP〜「三昧」の表現にゾクゾクする感動

FLIP-FLAP.jpg子どもの頃は有り余る時間を使って(あるいは金銭的制約に縛られて)、同じ本を何度も読み返したものだ。しかし、この年になると同じ本を何度も読み返すことはあまりない。
それが、久しぶりに同じマンガを10回以上読み返した。「FLIP FLAP」がそれだ。
あまりにもヤバいと思って一時期書庫に移動したが、本棚整理のときに手元に引き出してきたら、また何度も読んでいる。そのたびにゾクゾクする。何だろう。これは。
話を一言で言えばピンボールをテーマにした「戯作三昧(芥川龍之介の短編)」である。人が何かにハマって、夢中になって、とにかく追究したときたどり着く境地の心地よさを素直に描いている。恋愛も絡むが、クライマックスには彼女の存在も、ギャラリーもいなくなる(不要になる)。それを読んで素直に納得でき、肌がざわざわとする。凄い。
絵柄は正直うまくないんだけど、でも感動をもたらすのは絵柄じゃない。そういうことを久しぶりに思い起こさせてくれた。
この作家の前作「ラブロマ」も良かった。今後もこの作家は買い、だなと思う。大ヒットは難しい作風だろうが、がんばってほしい。