メディアファクトリー (2011-11-22)
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子どもの頃は有り余る時間を使って(あるいは金銭的制約に縛られて)、同じ本を何度も読み返したものだ。しかし、この年になると同じ本を何度も読み返すことはあまりない。
それが、久しぶりに同じマンガを10回以上読み返した。「FLIP FLAP」がそれだ。
あまりにもヤバいと思って一時期書庫に移動したが、本棚整理のときに手元に引き出してきたら、また何度も読んでいる。そのたびにゾクゾクする。何だろう。これは。
話を一言で言えばピンボールをテーマにした「戯作三昧(芥川龍之介の短編)」である。人が何かにハマって、夢中になって、とにかく追究したときたどり着く境地の心地よさを素直に描いている。恋愛も絡むが、クライマックスには彼女の存在も、ギャラリーもいなくなる(不要になる)。それを読んで素直に納得でき、肌がざわざわとする。凄い。
絵柄は正直うまくないんだけど、でも感動をもたらすのは絵柄じゃない。そういうことを久しぶりに思い起こさせてくれた。
この作家の前作「ラブロマ」も良かった。今後もこの作家は買い、だなと思う。大ヒットは難しい作風だろうが、がんばってほしい。
谷川史子はやはりすごい。それを再認識させてくれる一冊。
個人的には彼女の真価は高校生の恋愛話なのだと思っていて、
「りぼん」を離れてからは、どうもしっくりこないと思っていた。
大人とセックスの描写は向いていないのかなあと。
本作は、「Young King アワーズ」で書きつづった連作短編だが
そんなぼくの勝手な懸念を吹き飛ばして、かつ泣かせる一冊になった。
ドライアイの自分は泣けないが、相方はもう大変なくらい泣きまくっていた。
正直言うと、自分も大江戸線の車中で読まなければ危なかったかもしれない。
すっきりとした空気を感じさせる、他の人にはまねができない谷川史子の線が、
数年ぶりにダイレクトに心に入ってくる。
彼女のコミックを読んだことがあって、しばらく離れていた人にこそ読んで欲しい一冊である。






