TOKYOはMANGAでできている都市なのだ~「MANGA都市TOKYO」展 日本はアニメを世界中へ発信している国である。そして日本のアニメーションスタジオの多くは東京にあり、また東京を舞台設定することが多い。 「ゴジラ」はおおむね東京に出現する。「シン・ゴジラ」は地図でその移動をほぼ完全にたどることが可能で、遡上した川を実際にたどってみる人もある。最後は東京駅舎の前で戦いを行う。 「君の名は。」の監督は東京の高低差と地理をストーリーに織り交ぜて描くのが巧みだ。「君の名は。」の代々木駅や新宿の描写、ラストシーンで須賀神社へたどり着くまでの描写とあの階段の高低差の描写は実はほとんどそのままに存在する。 同じ監督の「天気の子」も池袋と新宿のあいだをチェイスしたり、スカイツリー周辺の低地が水没したりするが、現実をほぼ描写している。 このラインより上のエリアが無料で表示されます。 私は知らなかったが「ラブライブ!」では神田明神の男坂(だと思う)をトレーニングで駆けるシーンがあった。 私が好きな幾原邦彦監督作品「輪るピングドラム」では荻窪あたりの暗渠近くの風景と丸ノ内線をモチーフとした首都圏の地下鉄網が描かれる。 ゲームでも東京は描かれる。「サクラ大戦」の主人公が出会うのは上野の西郷さん前だし、皇居前の帝劇が舞台として描かれる。「グランツーリスモ」シリーズでは、首都高や千駄ヶ谷周辺などをモデルにしたコースを爆走し、東京を体感することができる。 近年、「聖地」が話題となるが、東京はアニメや特撮映画、ゲームの舞台となる「聖地」だらけでもある。 先日、六本木の国立新美術館の「MANGA都市TOKYO」展を見に行った。これがなかなか楽しい展示だった。https://manga-toshi-tokyo.jp/ (11/3まで。来場には日時指定券が必要) 会場のど真ん中に巨大な立体模型地図を配し、映像で紹介するアニメや特撮映画の描かれた場所をスポットライトで示すのだ。サイズは17メートル×22メートルということで圧倒的なサイズ感で東京を実感させる。 上記リンク先に画像があるが、ビルの多くは立体再現しているので、新宿や東京駅周辺の高層ビル、東京タワーやスカイツリーなどの高さも実感できる。 作品紹介もおもしろかったが、地図をみつつ東京と作品の関係を考えるのがなかなか楽しい仕掛けとなっていた。 実はこれ、フランスで行われた展示(MANGA TOKYO展)の凱旋ということもあるらしい。 日本人がフランス映画(アメリとか)をみたりして、ポンヌフ(セーヌ川にかかる橋)に憧れるように、外国人は日本アニメを見て日本に憧れる。そこをフックに、江戸から東京の変遷とマンガやアニメ、特撮映画に描かれてきた東京を紹介するという展示で好評を博したようだ。 私自身は自由に会場を移動しながら地図と展示と1時間以上かけて楽しんだが、このご時世と言うこともあって会場の空き具合は仕方ないのだろう。ちょっと残念である。 まだまだ会期はあるので時間指定で出かけてみてはいかがだろうか。 関連 投稿ナビゲーション この2色刷りは発明だ!~「最近雇ったメイドが怪しい」ダーウィンより前にガラパゴス島に上陸した男の物語~「ダンピアのおいしい冒険」